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昔入れたインプラントが腫れて痛い(50代女性)インプラント周囲炎

症例
上記症例(黄色〇のところです)
50代女性の方です。いわゆるインプラント周囲炎です。
黄色〇で覆っていないほうのインプラント周りの赤線が本来の骨の位置です。黄色〇で覆っているほうはだいぶインプラント周りの骨が溶けています。
主訴:左下の昔入れたインプラントが腫れて痛い。他院で消炎処置?してもらったが腫れが引かない。
現状
口腔内写真がなくてすいません。
レントゲン写真では本来青線部分まで骨がないといけないのですが、赤線部分まで骨が溶けている状態です。
初診時は左下のインプラント(上部の被せ物は除去されていました)周りがとても腫れており、まずは膿を出すため切開排膿処置が必要な状態でした。
治療方針
初診時患者さんはまずは腫れを何とかしてほしいとのことでその後は今後このインプラントは使っていけるのか心配されていました。一時的にインプラント周りの腫れは引きましたがまたしばらくするとインプラント周りから膿が出てくるようになったため根本的な治療をしていかないといけないと診断しました。まずは徹底的なインプラント周りのお掃除(スケーリング・SRP)を行いました。それでも腫れの引きがいまいちだったため外科的治療で治していく方針に移行し、歯肉を切開ししっかりインプラント周りの状態を確認しました。インプラント周りの骨がレントゲン画像よりも溶けており、ボルトのギザギザ部分には黄色い汚れがかなり強くこびりついていました。それをしっかり除去してインプラントに汚れが再度つかないように徹底的にインプラントを磨きました。
治療期間
治療期間は約3か月間程度です。治療回数8~9回くらい
①診査診断 切開排膿処置
②全体的なお掃除(スケーリング)
③麻酔をしてのインプラント周囲のお掃除(SRP)
④外科治療によるお掃除
⑤2~3週間経過みて問題なければいったんひと段落
結果
口腔内写真がなくて申し訳ないですが、しっかりインプラント周りの腫れは改善したため再度まだまだ使っていけるインプラントに戻すことが出来ました。
費用
処置自体は難しくありませんがインプラントが保険診療適応外の処置のためこの処置も自由診療となります。
インプラント1本につき(33,000~66,000円)
インプラントの状態により変動します。
治療におけるメリットデメリット
メリット:腫れさえ引けばインプラント自体には問題ないため再度今まで通りに使用することが出来ます。
デメリット:自由診療のため費用が高額になります。またインプラント周囲の骨が溶けているため綺麗に治った歯肉もそれに合わせて下がるためやや見た目が悪くなります。当然以前より物がつまりやすくなるため日々のお掃除はより入念にしないといけません。
インプラントは入れて終わり!ではなくそこからが長いお付き合いをしていく本番となります。インプラントは人工物なので長い人生でどうしてもトラブルが起きてくることがあります。ただ値段だけで判断するのではなくその病院がなにかあったとしても責任を持って対応してくれるところで治療を受けることをおすすめします。
入れたインプラントが腫れてお困りの方はお気軽にご相談お願い致します。
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小泉歯科医院